家族の手伝いでコンビニの仕事は経験がありましたが、オーナーとして経営をするのは初めて。どうしたら利益を上げることができるか分からず、最初はまったく上手くいきませんでした。転機となったのは現在のSVさんが担当になったとき。コンビニ経営のイロハを熟知しているSVさんに経営の基礎から教えていただき、イチから売り方を見直していきました。何か施策を実行する際も必ずSVさんに相談して、その施策のメリットとデメリットを分析しながら、知識を吸収していきました。

　そうすると次第に利益が上がり、経営が安定してきました。経営が安定すると、心にも余裕ができて冷静な判断ができ、良いアイデアも浮かぶようになりました。本当に、SVさんには感謝しています。

　コンビニ経営のおもしろいところは、売り方を一つ変えるだけで、結果が大きく変わるところです。SVさんから言われた言葉に「売れないものには理由がある」というアドバイスがあります。売れない商品を同じ場所にそのまま置いていても売れないままです。「なぜ売れないか」を考えたうえで戦略を考えていけば、自ずと答えにたどり着きます。

　たとえば、売れ行きが不振だった唐揚げなどのFF（ファストフード）販売。当店では夕方になると学校帰りの高校生が立ち寄ってくれるのですが、お腹を空かした高校生が食べたくなるようなインパクトある売り場に変えたことで売上が大きくアップしました。また、商品棚の横にあるサイドネット。以前はいろいろな商品を掛けていましたが、SVさんの助言から１種類の商品を大量に掛けるようにしました。すると、お客様の目に留まりやすくなり売上が改善。お客様目線に立った少しの工夫で、売上がアップするのはおもしろいです。

　オーナーになった直後は経営が上手くいかず、心に余裕が持てなかったため、暗い気持ちになっていた時期がありました。そんなときに支えてくれたのがクルーたちです。多くのクルーが当時から現在までずっとお店を支えてくれて、本当に感謝しています。

　お店を立て直そうと思ったとき、私はあることを実践しました。それは「元気な声を出す」こと。明るく大きな声を出すのには恥ずかしさがあります。私も大きな声を出すのは苦手でしたが、率先して出すようにし、クルーにも声をかけ続けました。すると、だんだんお店全体の雰囲気が良くなっていったんです。とてもシンプルなことですが、元気な声を出すと明るい気持ちになりますし、自信もつくようになります。これがクルーに浸透してからは接客の質が圧倒的に良くなり、お店全体が笑顔で溢れるようになりました。